クリパルヨガの良さ①:個人の体験を徹底的に尊重すること(マインドフルネスの実践)
2月2日から4日まで2泊3日で京都・北山の関西セミナーハウスで行われたクリパルヨガ教師の合宿に参加してきました。
全国から16名のクリパルヨガ教師が集い、クリパルヨガの体験を深め、自分自身やヨガ教師としての現在とこれからに向き合う時間を過ごしました。
私がこのリトリートに参加して一番よかったと感じたのは、クリパルヨガのすばらしさを再認識したことです。
私は正式に学んだヨガがクリパルヨガ以外にないので、良くも悪くも、「当たり前」になってしまい、クリパルヨガの良さ・特長、というものを最近は明確に認識できていなかったことに気づきました。
今回感じたクリパルヨガの「良さ」をお伝えたいです。
①個人の体験を肯定し、尊重すること!
これは、ヨガ指導や教室環境、教師の在り方、生徒との関わり方に、貫かれているエッセンスです。
例えば、同じクラスに参加していた人でも、
「気持ちよいストレッチを感じて、リラックスできた」と感じる人もいれば、
「身体ががちがちで、呼吸が浅くなっている自分に気づいた」と感じる人もいます。
それを丸ごとに肯定します。
違う人間なのですから、体験は一人一人は違って当然です。
ヨガの実践によって体験したこと、それがその人にとっての真実です。
ありのままの現実の自分に気づくということ(つまり、マインドフルネス瞑想の実践!)にこそ、実践の価値があると捉えています。
自分の今いる場所を肯定し、受け入れることからしか、人の成長も変化も起こらないと考えているからです。(「人の変容」こそがクリパルヨガの目的です)
つまり、教師は、「こうあるべきである(例:リラックスするべき。呼吸は深くあるべき。身体はここまで曲がるべき。等)」という特定の価値観を押しつけたり、”理想”の体験を設定したりすることは全くありません。
教師の役割は、それぞれの生徒が、安心して身体を通して自分自身と対話できる、安全な時間と空間を提供することです。そうすることで、周りの人や教師のことを気にせずに、集中して、自分をよく知ったり理解したりすることができます。
ですので、ヨガポーズの実践は、あくまで自分を知るためのツールという位置づけです。ある特定のポーズができるようになるため、今の自分ではない何かになるために練習するように関わるものではありません。
自分の身体の現状をありのままを受け入れ、自分にとってちょうど良いところ(ストレッチや筋力の感覚がきつすぎずゆるみすぎない場所:エッジ)を見つける、そこを感じ取る、ということを大事にしています。
教師のインストラクションは、それぞれの人にとってのエッジを探り、そこでの自分を感じるためのサポートです。
こうしたヨガクラスでの体験を繰り返していくことで、人と比較したりせずに、ありのままの自分を認めて愛する心心、自己肯定感や自尊心が上がっていきます。これは私のトラウマからの回復に決定的に重要な要素でした。
そういう意味では、基本的には、全ての年齢、様々な身体条件の人が、誰でも安心して取り組めるヨガだと言えます。
また、逆説的ですが、自分のエッジを尊重し、そこに止まることで、身体の柔軟性や強さは自然と強化されていきます。自然と変化と成長が生み出されてくるのです。
これこそが、クリパルヨガがサポートする人の変容のプロセスです。
この、クリパルヨガが立脚する「人の変容のモデル」についても、次回以降でシェアしたいと思います。
(つづく)
※保土ヶ谷クラスの内容については、下記ページを参考にしてください。