瞑想によるトラウマの「癒しすぎ」?:理解と愛の実践で陥った限界

8年前のPTSD発症をきっかけに、自分の中に溜まっていた怒りや悲しみを沢山癒してきました。

心理療法の専門家、自助グループの仲間に助けられつつ、最終的には、ヨガや瞑想の指導をうけながら、それらをセルフケアの習慣として身につけて実践してきました。

しかし、ここにきて、瞑想によるトラウマの「癒しすぎ」の疑惑が浮上してきたのです!

自分の実践の限界に気づく:6月のマインドフルネス瞑想リトリートで

きっかけは、6月の京都でのインナーチャイルドを癒すための瞑想リトリート。まだ報告しきれていませんが、本当にいろいろすごかったです。

これまでのプロセスの中で、インナーチャイルドも沢山癒してきたつもりだったのですが、まだまだ未消化な部分が出てきてぴっくりしました。

そして、普段の自分の瞑想による実践では、アプローチができていない部分が取り残されているのを沢山感じました。

それは「その瞬間にリアルに傷ついた自分」だったのです。

瞑想を通した相手への”理解と愛”の実践

私は、発病中に自分の怒りに翻弄されて、本当に苦しい思いをしたので、怒りや恨みのものとになっている傷つきをいかに癒すかということがトラウマからの回復のための実践の焦点でした。

そして、それを徹底的にやりまくったのです。

一つの徹底的な例は、これです。

自分の持っている怒り・恐れ・罪悪感の対象(人・出来事)について一つ一つ瞑想しました。
子どもの頃から現在までの全ての人を紙に書く手法で取り組んだのですが、A3の表に70ページにもなりました。まずは自分で瞑想して紙に整理し、それをメンターにシェアして消化するというプロセスには、約1年かかりました(メンターとの面談時間だけでも、120時間)。

それと同時に、ティクナットハン禅師の教えに基づくマインドフルネス瞑想を行いました。
上記のプロセスでは消化できない感情に対して、特に怒りの対象となっている相手の立場になって瞑想しました。その人が生まれたところから育った環境に想いをはせ、私が傷つくような言動をしてしまった背景を理解しようとしました。

ヨガをした後などで心を静めて瞑想に取り組み、あるところで相手(私の認識上「加害者」の立場の人)と自分との境界がなくなり、心から【共感】できるようになった瞬間に、心が震えるような深い癒しを何度も体験しました。決して頭だけの理解ではなく、心と身体からの理解だったのは確かです。

そうしていくと、そもそも怒るべき対象などもともとなく、あるのは不器用で不完全な人間がいるだけなのだと感じたのです。

この実践のおかげで、感情のブロックが溶けていくようになって楽になり、健康も回復してきました。

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こうした体験から、私は怒りを感じた瞬間に、それに気づき、怒りの対象の人や出来事をその立場で理解・共感する、ということを徹底してやることが習慣になりました。

「怒りは、自分の間違った認識によって生まれる」というブッダの教えに基づいて。

このように実践していくと、怒りや恨みに翻弄されることはなく、心穏やかに平穏に暮らすことができてきましたし、実際に、エネルギーの循環もよくなっているように感じました。

何か怒りを感じるようなことがあった時でも、

「悪気はないのだよなあ」

「コミュニケーションのスキルが足らないのだなあ」

などと、相手の立場に立ってみて受け入れる自分になっていました。

足らなかった傷ついた自分への”理解と愛”

しかし、上記の実践では、片が付いていなかった部分があったのです。

それは、「傷ついた自分」でした。

相手の不完全さも理解できるし、怒る必要もないけれど、実際に、その出来事によって、”その瞬間”に傷ついたり困ったりして不利益を感じている【生身の自分】が現に存在しているのです。

この【生身の自分の傷つき】を軽視しすぎていたことに気づきました。

怒りを否定したり、抑圧したりしたつもりではなかったけれど、即座に怒りの対象である相手の立場になって理解して怒りを静めるとパターンによって、自分の傷つき・不利益に対するケアがしらずしらずなおざりになっていたことに気づきました。

このために、自分の身体に深い緊張が残り続けているのだということも分かってきました。

中道を探る

発病中に怒りまくってDV加害者まで暴走した心は、今では、逆の極端の「物わかりの良すぎる、何でも受け入れる怒らない自分」という、これまた無理のある心のパターンを作り出していたことに気づきました。

まるで、菩薩のようにでもなったかのように。

しかし、私は菩薩ではなく、不完全で傷つきやすい肉体を持った人間です。

自分が受け入れられる容量以上のものを自分で受け入れようと、必死に頑張ってきていたのかもしれません。

これも、自分を回復させるために、藁をもすがる思いで、先達に習った「理解と愛の実践」を自分なりに徹底してやり続けた所以です。実際にここまでは回復できたのだから、素晴らしい成果もありました。ここまで生き残って、回復できた自分の意欲と行動を褒めてあげたいです。

しかし、私は、私を本当に大事にして、もっともっと癒していきたいのです。

次なる私の方向性は、「癒しすぎ(?)」ちゃった怒り(トラウマ)を、怒りを感じた生身の自分の立場でもう少し妥当なところまで取り戻し、そこからの癒しを探求することだということが見えてきました。

過ぎたるはなお及ばざるのごとし。

中道を探っていきたいです。

私の癒しの探求の旅路はまだまだ続きます。

一人一人の癒しと成長の旅路は異なりますが、私の体験が誰かの参考になれば嬉しいです。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

堀 桃代

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